フッ素によるむし歯予防

フッ素は、歯のむし歯に対する抵抗性を強めることが知られています。
フッ素によるむし歯予防は、特に子供のむし歯予防の最も代表的な方法の1つです。
長年にわたる膨大な研究によって確立された方法であり、その効果も十分に証明されたものです。
歯の表面に塗られたフッ素は、歯に唾液中のカルシウムを取り込みやすくし、歯を丈夫にします。
歯が作られる時期に体内から取り込まれたフッ素は、歯の結晶を緻密にし、内部から歯を丈夫にします。

フッ素によるむし歯予防は、次のようなものがあります。

フッ素塗布
フッ素洗口
フッ素入り歯みがき材
○水道水へのフッ化物添加
○フッ化物錠剤(日本では市販品はない)


現在のところ、むし歯予防としては、最もポピュラーな方法です。
世界中のほとんどの歯科医がその効果を認めています。

大量投与したときに毒性があることと、歯が作られる時期の過剰投与で、斑状歯(褐色の着色歯)が生えてくる可能性があることが、リスクとして挙げられますが、むし歯予防に用いられるフッ素の投与量は、これらの毒性を示す量からみると、まったくの微量です。
このため、現状ではもっともローリスク・ハイリターンな方法であると考えられています。

欧米などでは、水道水にフッ素を添加することや、歯みがき材にフッ素入りのものを使用することは常識となっています。
日本でも歯科医師会や保健所など、多くの機関でフッ素は推進され、また、日本の予防歯科の中心的な学会である日本口腔衛生学会でも、公式な見解としてフッ素は推進されています。

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